茨城県大子町にある「月待の滝」は、滝の裏側からも眺められるという全国的にも珍しい特徴を持つ滝として知られています。
観光ガイドや旅行雑誌にもたびたび取り上げられる人気のスポットで、訪れる人々をその独特の景観で魅了しています。
この滝は久慈川の支流である大生瀬川によってつくられたもので、高さはおよそ17メートル、幅は12メートルと、近くで見ると想像以上に迫力のあるスケールです。
滝壺に落ちる水は四季を通じて豊かな流れを見せ、周囲の自然と調和して美しい風景を作り出しています。
通常は二筋の流れが寄り添うように落ちており、その姿から「夫婦滝」と呼ばれていますが、雨が降って水量が増えると中央にも新たな流れが現れ、三筋の「親子滝」として姿を変えます。
この変化は自然が織りなすダイナミックな演出のようで、見る人に強い印象を残します。
さらに、水量の増減による音の大きさや水しぶきの舞い方も異なり、同じ滝でも訪れるたびに違う魅力を感じられるのも月待の滝ならではの楽しみ方です。
月待の滝の魅力は“裏側からの眺め”

この滝の最大の魅力は、なんといっても滝の裏側に回り込めることです。
ふつう滝は正面からしか見ることができませんが、月待の滝では反対側に立ち入ることができるため、ほかの滝では味わえない臨場感と迫力を楽しめます。
水しぶきを間近に浴びながら、頭上から絶え間なく落ちてくる流れを裏側から見上げる体験は本当に特別で、訪れる人をわくわくさせてくれます。
水の粒が光に反射してキラキラと舞い、まるで光のカーテンや水の壁の中に自分が入り込んでしまったような、不思議で幻想的な空間が広がります。
その場に立つと、自然のエネルギーに包まれているような感覚になり、思わず深呼吸したくなるほどです。
さらに月待の滝は「安産の神様」としても信仰されてきた歴史があり、地元の人々だけでなく遠方からも祈願に訪れる人がいます。
古くから「二十三夜」の月が出る夜に願いごとをすると良いと伝えられていて、特に女性や家族にとって心強い存在とされてきました。
こうした文化的な背景や信仰が残されている点も、月待の滝をより魅力的で特別な場所にしている理由のひとつです。
アクセスも便利
〒319-3556 茨城県久慈郡大子町川山
月待の滝までは駐車場から徒歩3分と、観光スポットとしてはかなりアクセスしやすいのも魅力です。
小さなお子さんやご年配の方でも安心して訪れることができる距離なので、家族連れや観光バスで訪れる団体客にも人気があります。
駐車場には案内板やトイレも整備されているため、観光の拠点としても使いやすい環境です。
車を利用する場合は常磐自動車道・那珂ICから約60分の道のりで、国道を経由して自然豊かな景色を楽しみながら向かうことができます。
途中には地元の直売所や農産物の販売所も点在しており、立ち寄りながら地域の魅力を味わうドライブコースとしてもおすすめです。
一方、公共交通機関を利用する場合はJR水郡線の下野宮駅から徒歩30分ほど。
のんびりとした田園風景の中を歩いて向かう道のりは散策気分を楽しむことができ、途中には小さな神社や季節の花が咲くスポットもあります。
電車と徒歩で訪れることで、よりゆったりとした旅の雰囲気を味わうことができるでしょう。
また、近くには「月待の滝 もみじ苑」という食事処があり、滝を眺めながら地元そば粉を使った蕎麦をゆっくり堪能できます。
特に秋の紅葉シーズンには、色づいた木々と滝の景色を眺めながらの食事は格別で、訪れた人々に忘れられないひとときを提供してくれます。
そば以外にも天ぷらや甘味など地元の味覚を楽しめるメニューがそろっているので、観光と合わせて食事も楽しめるのが嬉しいポイントです。
四季折々の美しさ
春には山全体が柔らかな新緑に包まれ、若葉の香りとともに清々しい雰囲気を味わえます。
夏は涼やかな水しぶきが辺り一面に広がり、天然の涼を求めて訪れる人々にとって格好の避暑地となります。

秋になると赤や黄色に染まった木々が滝と見事に調和し、まるで絵画のような紅葉の景観が広がります。
この時期は特に観光客でにぎわい、写真撮影スポットとしても人気です。
冬には滝の一部が凍りつき、美しい氷瀑となって幻想的な姿を見せてくれます。
四季それぞれに異なる魅力を持つため、何度訪れても新鮮な感動が得られるのが月待の滝の大きな特徴です。
裏側から楽しむポイント
- 癒しのマイナスイオン
滝の裏に立つと水しぶきが心地よく、ひんやりとした空気が体を包み込みます。自然のエネルギーが全身に広がるような感覚で、心も体もリフレッシュできるのが大きな魅力です。深呼吸をすると森の香りと水の清らかさが混ざり合い、日常の疲れを忘れさせてくれます。 - 幻想的な水のカーテン
裏側から眺めると、流れ落ちる水のベールの向こうに自然の景色が透けて見えます。太陽の光が差し込むと水滴が虹色に輝き、まるで夢の中に迷い込んだような幻想的な雰囲気に包まれます。季節や時間帯によって見え方が変わるので、訪れるたびに違う美しさを感じられるのも特徴です。 - 特別な思い出
滝の裏に入れる場所は全国的にも珍しく、ここでしか体験できない貴重なひとときとなります。友人や家族と訪れれば、その感動を共有できる忘れられない思い出に。写真や動画に残すのも良いですが、実際にその場で五感を通じて味わう体験は格別で、長く心に残るものとなります。
訪れるときのアドバイス
裏側に行くときは水しぶきで体や服がかなり濡れることがあるため、レインコートや防水性のあるジャケットなど、濡れても快適に過ごせる服装がおすすめです。
夏場であれば速乾性のある素材の服を選ぶとより安心ですし、タオルを持参すると便利です。
さらにカメラやスマートフォンを使う方は、防水ケースやビニール袋に入れておくと安心です。
足元は特に滑りやすいため、スニーカーやトレッキングシューズなど、グリップ力のある歩きやすい靴を選びましょう。
サンダルやヒールは不向きなので避けるのが無難です。
小さなお子さん連れの場合は、滑り止め付きの靴や着替えを用意しておくと安心して楽しめます。
まとめ
「月待の滝」は、裏側からの鑑賞というユニークな体験ができる自然スポットです。
一般的な滝では味わえない視点から水の流れを間近に感じられるため、訪れる人々に強い印象を残します。
また、四季折々に違った景色を見せてくれるのも魅力のひとつで、春は新緑に包まれた爽やかな姿、夏は避暑地のような涼しさ、秋は鮮やかな紅葉と滝のコントラスト、冬は氷瀑が織りなす幻想的な光景を楽しめます。
観光や写真撮影はもちろん、リフレッシュやスピリチュアルな体験の場としてもおすすめです。癒しと感動の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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